外国為替市場の動きを予想するために必要な分析の一つがファンダメンタル分析です。
為替市場での各国の通貨の需要や供給の変化を見極めるのがファンダメンタル分析です。
FX取引で利益を出していくためには、外国為替市場の動向を分析し、予測していくことが必要になります。特に初心者ほど、感覚ではなく分析をもとに予測をしていかなければなりません。
市場の動向を予測するには、大きく2つの方法があります。『ファンダメンタル分析』と『テクニカル分析』です。ファンダメンタルというのは、世界情勢などの経済の基礎的な状況などのことで、テクニカルは過去のチャートの動きを分析することです。
これらのは、FX取引に限らず株式投資などでも用いられますが、人によってはテクニカル分析をほとんどしない投資家や、チャートだけをみて取引してファンダメンタルをまったく考慮しない投資家など様々です。特に初心者は片方のみに偏る傾向があります。しかし、儲けるためには片方だけではなく、両方の分析を生かすことが大切です。
FXでのファンダメンタル分析とは、経済の基本を分析することで、今後の為替レートがどう動くのかを予測する方法です。FXの取引は短期的におこなう人が多く、その場合はテクニカル分析の予測のほうが当たるため、ファンダメンタル分析をほとんどしない方も多いです。また、ファンダメンタルの分析は、世界経済や金融などの様々な知識が必要なため、FX初心者などは最初からしない人も多くいます。
しかし、中長期のトレンドなど、ファンダメンタル分析でないとできないこともあるのです。例えば、2005年1月頃に米ドルは104円でした。同年の12月には1ドル=121円まで上昇しています。いくらチャートをながめていても、そのような動きは絶対に予想できません。しかし、ファンダメンタル分析をしていれば、簡単にこの動きを予想することはできたのです。当時、アメリカのFOMC(連邦公開市場委員会のこと。金利を決定します。)で、アメリカの金利を上げ続けました。そのため、日米での金利差が開き、円を売ってドルを買う、ドル高の動きになったのです。
上の例のように、中長期的な為替レートの予測というものは、ファンダメンタル分析をしないとできません。また、短期的な取引をするにしても、中長期のトレンドを知った上での短期取引と、知らない短期取引とでは儲け方が違ってくるのです。
国の金利を決定するのは中央銀行です。日本であれば日銀、アメリカならFRBです。金利が上がると、高い金利収入を得られるため、多くの投資家がその国に投資をします。するとその通貨を買う動きが強まるため、通貨が高くなるのです。
例えば、日本の金利が0%、アメリカが5%だったとします。この場合、日本の低い金利でお金を借りてアメリカの銀行に預けるだけで、5%近い利益を得られることになります。すると、円を借りてきて、それを売ってドルを買う動きが強まり、円安ドル高になるのです。
上の例はあくまでも極端な例ですが、通貨は「低いところから高いところへ流れる」ということは知っておいてください。
例えば日本企業がアメリカに車を輸出します。アメリカ人は車を買うときに当然ドルで払います。日本企業はそのドルを円に換え、従業員に給料を払ったり、会社の利益にしたりします。つまり、ドルを売って円を買うことになり、円高方向に動くのです。
実際、貿易による通貨の取引量は、FXなどの投資による通貨の取引の量よりも遙かに小さいのですが、投資による取引よりも実態経済の取引の方が相場に与える影響は大きいため、注視する必要があります。
これは、上で説明した「金利が上がると通貨が上がる」と密接に結びついている部分です。基本的に、景気が良くなると経済はインフレ傾向になります。それが行き過ぎないように、中央銀行は金融の引き締め(=金利を上げる)をするのです。
景気がいい→インフレ→金利を上げる→通貨が上がる、という流れです。
実際、日銀やFRBが金利を上げるのではないか、または下げるのではないか、という憶測が流れると、その方向に為替が動き出すことが良くあります。