テロや紛争などが起きた当事国の為替はどのように動くのでしょうか?
外国為替とテロや紛争は、以前は大きな影響を受けていましたが、最近では影響は限定的です。
外国為替市場は、当然ながら世界中の事件の影響を受けます。とくにテロや戦争といった大事件には大きく影響を受けます。
例えば、9.11のアメリカ同時多発テロの際には、ドルはパニック的に売られました。テロなどが起きた場合、短期的には当事国の通貨は大きく売られ値を下げます。その代わりに買われるのが資源国の通貨です。人間は不安になると金などに投資をするものなのです。
しかし、最近ではこのようなテロなどの外国為替市場に与える影響は、それほど大きくなくなってきています。瞬間的には大きく動いた場合でも、徐々に落ち着きを取り戻す場合がほとんどです。
アメリカの同時多発テロの際、パニック的にドルが売られました。しかし、翌月にはほとんどが回復しました。航空会社などの一部のセクターを除けば、アメリカの実体経済にはほとんど影響がなかったためです。
2005年にロンドンで起きたテロ事件の場合も、その当日はポンドが売られましたが、翌営業日には回復しました。これもアメリカの例と同様、実体経済に影響を与えないと思われたためです。
テロや紛争などが起きたときの注意点としては、細かい動きに神経質になりすぎないということです。テロなどが起きたときは為替市場の取引量が極端に落ちます。そのために売り買い注文によって大きく相場が変動します。かなり乱高下しますので、細かい動きに惑わされないことが大切です。
乱高下する相場というのは儲けるチャンスでもありますが、逆にリスクが高い相場でもあります。予測困難な動きをすることが多いので、リスクを取りたくない人は一度ポジションを閉じた方がいいでしょう。