外国為替と債券や商品先物市場とはどのような関係があるのでしょうか?
外国為替市場は株式だけでなく、ほかに様々な市場と関係しています。
債券市場と外国為替市場の関係は、短期のスパンで見るか、長期的なスパンで見るかで変わってきます。一般的に、短期的には債券価格が下がるとその国の通貨は高くなります。債券価格が下がるということは、すなわち利回りが上昇するということなので金利の上昇になります。通貨というものは低いところから高いところへ流れるため、金利が上がるとお金が集まり通貨高になります。
しかし、中長期的な観点で見ると話は違ってきます。債券価格が下がって金利が上がると、インフレ率も上がることが多くなります。長期的にはインフレ率が高い国からはお金が逃げる傾向にあるため、通貨が下がることも往々にしてあります。
原油市場は、ここ数年で一気に注目を浴びるようになりました。特にアメリカのサブプライムローン問題以降急騰したために、その動向が関係者だけではなく、一般の人々にも注目されるようになりました。
原油の高騰は、基本的には産油国にとってプラスの影響を、石油消費国にとってはマイナスの影響を与えます。そのため、国によってその影響はかなり異なっています。
先進国通貨の中で、原油の高騰がプラスに影響するのはカナダドルです。カナダは石油の産出国であり、原油高によってカナダ経済は大きく成長しています。それがカナダドル高につながっています。カナダの石油はロシアなどと違って、掘れば出てくるような石油ではなく、オイルサンドという採取コストのかかる石油です。しかし、その石油が近年の原油高によって採算のとれるものになったのです。そのため、プラントなどへの投資も活発になり、カナダ経済自体が上向いたのです。それに伴い、海外からの資金も流入するようになりました。
イギリスポンドとオーストラリアドル、ニュージーランドドルも原油高に伴い通貨高になりました。イギリスは北海油田を持っているため、オーストラリアとニュージーランドは原油高に伴った資源高のために、他の先進国よりも良いと判断されたための通貨高です。
それに対し、日本円とアメリカドルは通貨安になりました。アメリカは世界最大の石油消費国であるため、日本は石油の輸入依存度が高いため、経済に悪影響が出ると考えられたのです。
原油などの商品市場と外国為替市場は密接に関係しています。そしてそれはそれぞれの国の経済状況によって様々に影響を与えるのです。